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髙橋大輔にある日突然はまってしまった日記

髙橋大輔らしさとは 1.5

続きというよりも①の補足をしつつという意味をこめて、1.5にしました。

というのも②をどこからどう書けばいいのかわからなくなってしまったので。前回があまりにも見切り発車だった……考えをまとめるためにプログラム感想を書いたのに、結局つながらないという。

 

なので今回から、ちょっと視点を変えて、アスリートの3つの要と言われる【心】【技】【体】で見ていこうかなと。

とはいっても私は専門家ではないので、結局イメージの話になってしまうのですが。

 

ということで、今回は【体】について。

①では「動きの美しさ」を語ったのですが、今回は髙橋大輔が【ダンサー】と言われる所以、リズム感や音感についての話を。

【体】に含めても良いものか迷ったのですが、【心】にするにも【技】にするにも微妙なので、ここで書いておこうと思います。

 

まず某振付師さんがよく言う「楽器を表現できる」という言葉。

これは音の高低ではなく、音色の表現ができているってことですよね。

極端に言えば、ピアノの音と、メトロノームの刻む音とでは、同じ拍子でも受ける印象が全然で別物であるという話で、この2つを同じ動作で表してしまうのなら、音楽って何のためにあるの? という……個人的には、音の高低の次に「音の意味」を感じやすいため、まだやりやすい気がするのですが。

まあ、そんなに上手くいったら苦労しないですよね。音色と奏法の組み合わせの多彩さに比べ、人間が出来る動きはどれだけあるんだと。

 

一方、リズム感はというと。

まず一口にリズム感といっても、タイム感、グルーヴ感、スウィング感、ドライブ感……いろいろあります。

残念ながら細かい解説は出来ないのですが、リズム感とは要するに「気持ちいいかどうか」だと思ってます。リズム単体に意味は見いだしにくいし、感情も湧かない。

フィギュアスケートを見てて思ったのが、曲の展開に合わせて大技を決めたり美しいポーズをとったり、踊りのパート自体がある人は居ても、ずーっとリズムに合わせて動く人って少ない、ということ。

振付の段階では細かく動きが決められていても、ジャンプなどのエレメンツに集中してそこまで気が回らないのか、または音には合ってるんだけど、合わすのが精いっぱいで綺麗に見えず観客には伝わっていないか。

で、思いついたのが、彼をはじめとする「踊れる選手」は、そもそも合わせている「音」の数が多いのではないかということ。だからぶつ切りにならず、一定のリズムが生まれる。だから見ていて気持ちいい。演技自体に流れが生まれ、アクセントが効果的に機能し、曲の盛り上がりに合わせた技も自然に感じる。

結果、いっそう惹かれるものになるのかなあと。

ベースとドラムがしっかりしてるとバンドの格好良さが倍増しするのと同じというか。

 更に彼の場合、間の取り方が見てて「気持ちいい」んです。思わずニヤつきたくなるくらいに。その感覚を1つのプログラムで何回も味合わせてくれるから、病みつきになる。

 

で、それを可能にしているのが、全身が音に反応して動く身体。

あらゆる所で別々の音を拾ってるから、いつの間にか、曲に合わせて動いてるのか動きに合わせて曲が流れてるのか曖昧になる。

首振りを初めて見たときはぶったまげたけど、腕や膝の使い方もかなりリズミカル。とくに膝なんて、常にそれなりのスピードを保つには漕がなければならないはずなのに、要所要所でリズムに合わせてくるのがすごいなと。

氷の上で、滑りながら、リズムを刻む。

なおかつ音色に合わせて、動きを美しく見せる。

……やはり、かなりの身体能力と、音に対するこだわりがないとやってられないと思う。

 

音無しで滑らせたい、というのも分かるけど、やっぱり音を見せてくれるのが好きなんだよなー。

大輔さんに、耳栓して滑っててもらいたいなあ。何の曲か観客には明かされないまま、身体に染み付いた音だけを見て自由に想像したい。

あとは逆に、大輔さんだけイヤホンで音楽を聞きながら、とか観客が耳栓して、とか…。

だいぶ挑戦的というか、大輔さんにとってはますますリンク上での味方が減るシチュエーションだけども。

いつかやってくれないかな。

 

 

今回は、ポエム度が低めですね。だいぶ「理屈で切り分けた」感がある。

ひとつイメージ要素を付け加えると、私は彼の動きに「1/f ゆらぎ」という言葉を思い浮かべだ。炎の揺れ方や、水の流れる音に共通するといわれる「ゆらぎ」、人がずっと感じていても飽きない、と思わせるリズム。もしかしたら彼の動きにもそれがあるんじゃないか……なーんて。この用語自体が疑似科学的なので、本当に空想なのですが。

ここまで長々と書いて言うのもなんですが、私はそこら辺に居る、特別に音楽を学んだ訳でもないただの一般人なので、「高橋大輔がお前好みの音の取り方してるってだけじゃん」って言われたら、「そうかもしれない」としか言いようがありません。

悪しからず。

 

次は【技】について。